西村Dの気象風月《#1》
「日本は本当は四季じゃなくて五季!」


西村 英将

四六時中脳みそは天気で溢れている唯一無二のお天気ディレクター西村英将がお送りする、日本の気象の当たり前を問い直す企画「西村Dの気象風月」!記念すべき初回はあまりいいイメージをもたれないあのジメジメした奴について!

はじめまして気象ディレクターの西村と申します。

さて、この文章を読んでいる皆様は「気象ディレクターとは一体どんな商売なんだ?」と思うでしょう。

僕の場合は…というか日本では僕しかいないのですが、簡単に言うと、テレビで放送される天気コーナーをより楽しく見せたり覚えやすい原稿にしたりと、「天気」をエンターテイメントに変換するお仕事です。

こんな仕事を20年以上もやっているので、通勤・帰宅の電車でも、休みに食事をしていていても、なんなら夢でも天気の事ばっかり考えています。

そこで初回は、すでに日本は「四季でなく五季になっている!!」と、そんな話を興じます。

最近は銀座と言えども老舗のデパート・百貨店が簡単に潰れる時代。新鋭の商業複合施設にはどこも同じブランド・メーカーが入り、場所が違うだけで入っている店は同じ。エアリズムはどこで買っても同じでしょ!

しかしそこはやはり銀座。老舗のデパート&百貨店には「粋な季節感」がまだ存在しています。

とある日の日本橋三越本店。上空はどんより灰色…今にも降り出しそうな空です。急いで店内に入り、買い物をしています。すると店内から曲名は知らなくても、必ず聴いたことある曲「雨に唄えば」がかかります。多くのお客さんは曲がかかっても気にはしないでしょう。

しかしこれ、実は“外で雨が降ったサイン”、元々は店で働く人が、お客さんのために雨の準備をする合図として流れる曲なのです。

主な準備とは
・店の玄関には傘のカバーを設置
・濡れた靴底を綺麗に拭き取るマットの設置
・購入した商品が入った紙袋のビニールカバーの準備

鬱陶しい雨…というお客様の気持ちを少しでも軽減するための、粋な雨対策なのです。また老舗デパートの常連さんもそれを知っているので、例の曲が店内にかかると、急いで買い物を終えたり、外に出ることなく電車が直通してる地下から帰るのです。

そう、日本人は雨との付き合い方が上手なんです。

すでに沖縄・奄美地方では梅雨入りしていますが、関東地方も後10日もすれば梅雨入りします。実はこの「梅雨」が近年「幅をきかせている」のです。

江戸時代の古い文献によると、梅雨の期間は6月の一か月。7月になると夕立以外の雨はなかったそうです。

しかし現在は6月の上旬に梅雨入りし、7月の20日前後が梅雨明け。およそ2か月間も雨のシーズン。

気象を生業にしている人の中では、現代の日本は“梅雨”が季節としてカウントされ、「四季ではなく五季!!」(春→梅雨→夏→秋→冬)と唱える人が増えています。そう、梅雨はしっかりとした季節なのです。

嫌いな人も多いと思いますが、そこは日本人。老舗のデパートの様に雨と粋に、上手に付き合ってもいいかもですね!

追記:
ちなみに日本橋三越本店では雨が止むと「虹の行方に」がかかります!


梅雨の季節になると、このように雲がインド洋から本州まで続きます!
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